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コンテナハウスを事務所として活用したいと考えている事業主もいるのではないでしょうか。当記事では、コンテナハウスを活用した事務所を検討している方向けに、施工事例や注意点を解説します。
外装や内装にこだわった、おしゃれな事務所を開設したい方は、ぜひ参考にしてください。
こちらの事務所は、20フィートサイズ2台、40フィートサイズ3台、計5台のコンテナハウスを使用し、1階をガラス張りにすることで、自然光を確保できるようにしました。40フィートサイズのコンテナハウスを2台を積み重ねて造った吹き抜け天井が、さらに開放感のある空間を演出しています。また、屋上にはデッキがあり、晴れた日には屋上で景色を楽しめます。
コンテナハウスの内部には、事務所、応接スペース、書庫スペース、トイレ、キッチンを備えています。シンプルなコンテナの内装に変化をつけるため、天井には、タイから輸入した古材の羽目板を使用しました。
コンテナハウスのイメージを覆すほどの豪華な外観と贅沢な内装にも関わらず、コンテナ製造に3か月、設置場所での施工に約2か月と、半年以内の工期で仕上げることができたのもコンテナハウスならではの特徴といえます。
コンテナハウスを事務所として活用するメリットは「工期」「コスト」「デザイン」です。
【コンテナハウスを事務所として活用するメリット】
コンテナハウスは、短期間の工期かつコストを抑えながらおしゃれな事務所を開設したい場合に適しています。
一般的な建築物は、資材を組み立てて建設していきますが、コンテナハウスは完成した状態のコンテナを設置場所に輸送して設置するため、一般的な建築物より短期間の工期で事務所を開設できます。
一般的な建築物の工期は3〜6ヶ月程度であるのに対し、コンテナハウスの工期は1〜3ヶ月程度です。ただし、設置場所でコンテナを組み立てる場合や、複雑なカスタマイズを取り入れる場合は工期の短縮が難しくなることもあります。
コンテナハウスは、一般的な鉄骨造りの建築物よりコストを抑えて建設できます。
また、コスト面でのメリットだけでなく、コンテナハウスは鋼材でできているため、耐震性・耐久性のある建築物として機能します。地震などの災害にも対応し、長期的に活用できる事務所を構えたい場合にも適しているといえます。
ただし、コンテナハウスの内装にこだわると一般的な木造の建築物と費用が変わらなくなる場合もあります。内装へのこだわりがある場合には、コンテナハウスの施工実績のある業者に相談し、見積もりを出してもらって検討しましょう。
コンテナハウスを事務所として活用する場合の費用目安はコンテナハウスのサイズや内外装のデザインによって異なります。
【コンテナハウスの事務所の初期費用目安】
さらに、コンテナハウスを設置できる所有地がない場合は、土地を借りるか購入する必要があります。また、コンテナハウスを設置後にはメンテナンス費用や固定資産税がかかる可能性もあります。
なお、コンテナハウスを設置する際にかかる費用の目安を確認したい方は「コンテナハウスの価格は?本体や設置する際にかかる費用を解説」を参考にしてください。
コンテナハウスは、デザインの自由度が高く、増築も可能なため、外観や内観にこだわったおしゃれな事務所にすることができます。
たとえば、事業規模に合わせてコンテナハウスを重ねて2階建てや3階建てにしたり、横並びに連結して専有面積を拡張したりできます。また、壁を外して空間を広げたり、細かく仕切ることも可能です。
さらに、木材を使用してコテージのような内装にしたり、一面ガラス張りにして外観を楽しめるような事務所にするなど資材によって異なる雰囲気の建築物にすることも可能です。
コンテナハウスを用いることで、アイデア次第でオリジナリティの高い事務所にできるでしょう。
コンテナハウスを事務所として活用する際の注意点は複数あります。
【コンテナハウスの事務所活用における注意点】
事務所として活用するコンテナは、建築基準法の条件を満たす必要があります。また、コンテナの設置場所や初期費用に関して把握しておくことで事務所の開設がよりスムーズに行えます。
さらに、コンテナハウスで事務所活用を開始した後も、定期的なメンテナンスが必要となることや、固定資産税がかかることを考慮しておくようにしましょう。
建築基準法の条件を満たしたコンテナを使用する必要があります。コンテナハウスは、建築基準法(第2条第1号)が規定する建築物だからです。建築基準法に適合しない場合は違反建築物となり、是正指導や是正命令の対象になります。
コンテナハウスを建築する場合には、一般的な建築物同様、建築前に「建築確認申請」を行い、交付を受ける必要があります。「建築確認申請」を受けた特定行政庁(自治体)もしくは確認検査機関は、対象となるコンテナハウスが建築基準法や条例に適合しているか確認し「建築確認済証」を発行します。
国土交通省では「コンテナを利用した建築物の取扱いについて」において、コンテナハウスを「随時かつ任意に移動できないコンテナ」と表記しています。建築基準法に適合するためには、コンテナハウスが「土地に定着している」必要があります。また、コンテナハウスとして使用するコンテナが「JIS認定工場で溶接が行われ、JIS鋼材で造られたもの」であることも、建築基準法に適合するための要件となっています。
ただし、コンテナハウスを設置する場所が都市計画区域及び準都市計画区域に含まれない場合や、延べ面積が200平方メートル以下のコンテナハウスは建築基準法に基づく建築確認が不要です。
なお、中古のコンテナは格安で入手できるものの、建築基準法の要件を満たさないものがあります。中古のコンテナハウスを事務所として活用する場合には、JIS認定工場で溶接が行われ、JIS鋼材で造られたものであるか事前に確認するようにしましょう。
コンテナハウスを事務所にする場合、初期費用が木造建築を上回る場合があります。コンテナハウスの設置にかかる費用は、コンテナ本体と設置する土地だけではなく「輸送費」や「基礎工事費」がかかるからです。
コンテナハウスは、工場で箱状に組み立てた状態で設置場所に輸送するため、出荷場所から設置場所までの輸送費がかかります。さらに、設置場所では、コンテナハウスと地面の間に鉄筋とコンクリートで土台を据え、コンテナハウスにかかる荷重を地面に均一に分散して支える「基礎工事」を行います。
そのため、コンテナハウスの初期費用は、1坪(約3.3平米)当たりの建築費を示す「坪単価」が、木造建築を上回るケースも多く見られます。
ただし、内装の一部などをDIYで仕上げる場合は初期費用を抑えることができるため、事務所の開設を検討する際には、初期費用に関してコンテナハウスを扱う販売業者に相談しましょう。
コンテナハウスは工場で製造し、箱状の形状で設置場所に運んで建設するため、コンテナハウスを搬入、設置できる場所が限られます。そのため、コンテナハウスを設置する場所までの導線が確保できるかを確認するようにしましょう。
たとえば、コンテナハウスの輸送経路に道が細すぎる場所がないか、搬入の妨げになるような電線や樹木がないか、などを事前に確認しておく必要があります。
なお、コンテナハウスで建設した事務所は、内装や外装などをそのままの状態で移設することが可能です。ただし、移設する際は水道やガス設備などのライフラインを撤去し、新たに転居先で基礎工事が必要となるため、相応の費用と時間が掛かることになります。
コンテナハウスは鋼鉄でできており、経年変化によって錆びる可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要となります。
コンテナハウスは、施工段階で外壁に防錆用の塗料を塗布します。防錆を目的としたメンテナンスのサイクルは、コンテナハウスの設置場所によっても異なりますが、3〜5年程度が目安となります。専門業者やハウスメーカーの担当者に外壁や屋根をチェックしてもらい、塗料が剥げていたり、錆が発生している箇所に防錆塗料を塗りなおします。
また、設置場所や状態に応じてシーリング対策(防水対策)や雨漏り対策が必要となります。さらに、資材に木材を使用している場合には、シロアリ対策が必要となる可能性もあります。
コンテナハウスの耐用年数は、明確に定められてはいません。固定資産の減価償却に用いられる「法定耐用年数」において、金属造で鉄骨の厚さが4㎜超の住宅の耐用年数は34年、事務所などの耐用年数は38年、と定められています。コンテナハウスは、建築用に開発された厚さ4.5㎜の重量鉄骨で造られているため、事務所として建築するコンテナハウスの耐用年数は40年程度であることが想定されます。
コンテナハウスの事務所は、定期的なメンテナンスを適切に行うことで、50年以上事務所として機能する可能性もあるでしょう。
コンテナハウスは建築物であるため、住宅同様、固定資産税がかかる場合があります。固定資産税の税率は、固定資産税評価額の1.4%です。コンテナハウスに固定資産税がかかる条件は「用途性」「外気分断性」「土地への定着」の3つです。
【コンテナハウスに固定資産税がかかる条件】
コンテナハウスは屋根があり、四方を壁に囲まれている状態なので、外気分断性を備えています。また、コンテナが地面に定着した状態で設置されており、部屋を隔てるための内壁や水道や電気といったインフラ設備などを備えている場合には、用途性がある建築物となります。これらの条件をすべて満たしている場合は、固定資産税の対象となります。
さらに、固定資産税に加え、都市計画税がかかる地域もあります。都市計画税は、都市計画法が定める「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」にかかるもので、税率は0.3%です。
ただし、駐車場など所有している土地にコンテナハウスを設置することで最大6分の1まで固定資産税を減額できる場合もあります。
なお、コンテナハウスが固定資産税の対象外になる要件などに関しては「コンテナハウスにかかる固定資産税の評価基準と税金対策について解説」で詳しく解説しています。
コンテナハウスは、住居だけでなく、事務所としても活用できます。実際に事務所として使用することを目的に建築されたコンテナハウスの施工事例もあります。
コンテナハウスを事務所として活用するメリットは「工期」「コスト」「デザイン」です。
コンテナハウスは、短期間の工期かつコストを抑えながらおしゃれな事務所を開設したい場合に適しています。
コンテナハウスを事務所として活用する際の注意点は複数あります。事務所として活用するコンテナハウスは、建築基準法の条件を満たす必要があります。また、コンテナハウスを設置する場所は、搬入時が導線確保が可能かどうか事前に確認しましょう。
さらに、コンテナハウスの初期費用は、木造建築を上回る可能性があります。また、コンテナハウスを事務所として活用を開始した後も、定期的なメンテナンスが必要となることや、固定資産税がかかる可能性があることを把握しておくようにしましょう。
メリットだけでなく注意点を把握しておくことで、コンテナハウスを活用した事務所の開設がよりスムーズに行えるようになるでしょう。