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コンテナハウス

コンテナハウスカフェ事例 開業の流れと初期費用の目安も紹介

近年、コンテナハウスを店舗として活用するカフェが増えています。コンテナハウスカフェが増加傾向にある背景にはデザイン性の良さだけでなく、コストパフォーマンスやサステナビリティに優れている点などがあり、今後もこのトレンドは加速していくと考えられます。

当記事では、コンテナハウスカフェの事例を取り上げ、開業の流れと初期費用の目安も紹介します。コンテナハウスを活用してカフェを開業したいは、参考にしてみてください。

コンテナハウスカフェ事例

コンテナハウスを活用したカフェの事例を紹介します。店舗のコンセプトによって全く違った雰囲気が演出できるコンテナハウスカフェの事例を参考に、自社の理想的なカフェ開業をイメージしてみてください。

自然とモダンが融合した高台のコンテナハウスカフェ

金剛山の麓、緑に囲まれた高台にオープンしたコンテナハウスカフェの事例です。

 

【マコモカフェ】

コンテナハウス マコモカフェ

 

広大な自然の中に建つコンテナハウスカフェは、青空に映える白を基調とした外観が特徴です。無機質なコンテナの直線的なデザインが周囲の豊かな自然との対比を生み出し、斬新なイメージをもたらしています。

 

コンテナハウス マコモカフェ連結

 

40フィートコンテナ2台と20フィートコンテナ1台を連結し、敷地内ではドッグランやBBQも楽しめます。

 

コンテナハウス マコモカフェ内装

内装にはオーナー様によるこだわりのDIYが施され、木の温もりと漆喰壁が調和して心地よい空間を演出しています。自然とモダンが融合した高台での眺望を楽しみながら、都会の喧騒から離れたリラックスした時間を過ごせます。

自然と食を満喫できるコンテナハウスの複合施設

コンテナハウス合計10台を活用して作られた自然と食を満喫できる複合施設の事例です。

 

【淡路島 FrogsFARM(フロッグス・ファーム) ピクニックガーデン】

 

「淡路サンセットライン」沿いに位置するコンテナハウスの複合施設は、絶好のロケーションと美味しい食事、豊富なアクティビティが魅力です。爽やかな潮風に触れ、海を眺めながらピクニックやBBQが楽しめます。

 

 

コンテナハウスの設置場所が海沿いであることから、外壁には塩害を考慮してあえてコールテン銅を使用し、錆(サビ)が生じた後もデザイン性が高く見えるように建築しています。また、経年につれ赤褐色から緑青色へと変化し、独特の味わい深い表情も楽しめます。

 

広大な敷地のピクニックエリアにはコンテナハウスを用途別に設置し、店舗棟、厨房棟、トイレ棟など、それぞれの用途に適したサイズのコンテナを使用しています。

なお、コンテナハウスカフェを始めとするコンテナハウスの活用事例は、弊社サイト内「活用事例」からも確認できます。「ギャラリー」では、海外で人気のコンテナハウスも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

カフェ開業にコンテナハウスが選ばれる理由

コンテナハウスは、資材の高騰や人手不足といった建設業が抱える課題に柔軟に対応できる新たなソリューションとして注目されています。一般的な建築物に比べて工期が短く、初期費用が抑えられる点は、カフェ開業の難易度を下げる要因の一つとなっています。

 

また、小規模から始められ、企業の成長に合わせて店舗拡大や移転などの事業展開がしやすい特徴もあります。コンテナハウスカフェの開業を多角的に検討するために、その他の理由も詳しく確認してみましょう。

 

【カフェ開業にコンテナハウスが選ばれる理由】

項目 理由 詳細
コスト 初期費用が抑えられる 家賃や改装費などの初期投資の負担が軽減できる
工期が短い 早期開業によって短期間で収益化が図れる
デザイン 設計の自由度が高い 個性的な店舗デザインで競合との差別化が図れる
SNS映えする

差別化できる

SNSでの拡散効果が高まり、集客力向上に繋がる

コンテナ製造の店舗は非常 に少なく競合他店との差別化が図れる

サステナビリティ サステナブルな店舗運営を実現できる リサイクル素材の活用やコンテナハウスのリユースなどによって環境負荷が低減できる
構造的に省エネ設備が導入しやすい 太陽光発電システムや蓄電池などの導入で環境負荷の低減とランニングコストの削減が可能になる
柔軟性 拡張しやすい 店舗拡張がしやすく、事業展開の機会を逃さない
移動しやすい 立地転換によって新たな顧客層を開拓できる
事業展開 小規模から始められる 少額資金で開業できるため、リスクを抑えられる
実績が作れる 小規模店舗での実績を基に、中型・大型店舗への展開を検討できる

 

コンテナハウスカフェは従来の店舗に比べてコストがかからず、早期開業によって収益が安定化しやすい傾向があります。起業リスクを最小限に抑えながら経営基盤を整えられるため、資金力に不安のある場合や短期間で収益化を目指したい場合などに適しています。

 

また、期間限定のポップアップストアの出店や店舗の用途変更などにも対応しやすく、将来的に中型・大型店舗への拡大を見据えている場合の足掛かりにもなります。

 

コンテナハウスを活用したカフェは単独店舗に留まらず、複合施設の一角を担うケースも増えています。その代表例がコンテナヴィレッジで、カフェやサロン、ショップなどの複数のコンテナハウス店舗が一つのエリアに集結し、新たなコミュニティを形成しています。

 

今後もコンテナハウスカフェは、その柔軟性と機能性を活かして多様な形で発展していくことが期待されます。コンテナハウスカフェの魅力を最大限発揮するために、従来の店舗とは異なる特徴を把握した上で、コンテナハウスカフェの開業を進めましょう。

コンテナハウスカフェの開業の流れ

コンテナハウスカフェの開業の流れは、従来の店舗でカフェを開業する場合と基本的には同じです。しかし、コンテナハウスならではの構造上の特徴や設置場所の制約、空間の使い方など注意すべき点も多いため、計画的な事前準備が必要です。

 

ここでは、コンテナハウスカフェの開業の流れを、構想、準備、施策、開業の4つの段階に分けて説明します。必要な手続きに抜けや漏れがないようしっかりと確認しましょう。

 

【コンテナハウスカフェの開業の流れ】

段階 内容 詳細
構想 コンセプト策定 店のテーマ、ターゲット層、メニュー、価格帯などを決める
市場調査 競合店を分析し、立地条件を検討する
資金計画 開業資金、運転資金を算出し、資金調達計画を策定する
準備 物件探し コンテナハウスを選定し、設置場所を確保する
改装工事 内装、外装、レイアウトなどを設計し、改装工事を進める
許可申請 建築確認申請、飲食店営業許可申請などの法的手続きを行う
資格取得 食品衛生責任者、防火管理者などの必要な資格を揃える
設備・備品導入 厨房機器、家具、食器一式などの必要な設備・備品を導入する
保険加入 火災保険、賠償責任保険など に加入し、万が一の事態に備える
施策 メニュー開発 オリジナルメニューなどを作成し、仕入れルートを確保する
スタッフ雇用 従業員を募集・採用し、教育する
広報活動 SNS、チラシ、地域イベントなどを利用して店舗を告知する
開業 開店・運営 顧客やスタッフからのフィードバックを収集して改善を続ける

 

店舗のコンセプト策定は、事業成功の鍵となる運営方針を左右する重要な要素です。市場調査や資金計画などの構想段階から、準備、施策、開業までのあらゆる側面に影響するため、初めに明確なコンセプトを打ち出す必要があります。

 

続いて、コンセプトを基に物件探しや改装工事を進めていきます。建築基準法や景観条例の遵守はもとより、消防法や食品衛生法などもクリアしなければなりません。特に、消防設備の設置や食品の取り扱いに関する規定は厳格なため、関係機関へ確認しておくと安心です。

 

メニュー開発には、店舗のオリジナルや地産地消のメニューを取り入れると競合店舗との差別化が図れます。さらに、コンテナハウスの特徴的な外観が生み出す訴求力を活かして、オープンに向けた店舗情報をSNSなどで積極的に発信すると集客力の向上が期待できます。

 

なお、カフェに限らずコンテナハウスを活用した飲食店開業に興味のある方は「コンテナハウスで飲食店を開業するメリットや注意点は?費用目安や開業の手順も解説」も参考にしてみてください。

 

コンテナハウスカフェの初期費用の目安

コンテナハウスカフェの初期費用は、様々な要素によって変動します。具体的には、コンテナの種類、内装の規模、立地条件、導入設備などです。

 

また、法改正や経済状況の変化などの外的要因も相場に影響を与える可能性があることから、資金計画は余裕を持って策定することが重要です。

 

【コンテナハウスカフェの初期費用の目安】

項目 種類 費用相場 費用の変動要素
物件 コンテナハウスの購入・レンタル費用(新品・中古)、輸送費 100〜500万円 サイズ、状態、購入方法、輸送距離
土地 購入・賃借費用 月数万〜数百万円 立地、広さ
基礎工事 コンクリート基礎、杭打ちなど 50〜200万円 土地状態、コンテナ数、地盤の強度
内装工事 壁、床、天井、電気配線、水道工事、換気設備など 50〜200万円 デザイン、素材、設備の充実度、施工面積
設備導入 キッチン設備、空調設備、照明、レジ、POSシステム、家具、什器など 50〜200万円 メニュー内容、キャパシティ、設備のグレード
許認可申請 飲食店営業許可、保健所申請など 10〜30万円 地域、申請内容、代行業者への委託有無
初期在庫 食材、飲料、紙製品、その他の消耗品など 50〜100万円 商品の種類、需要の変動、仕入れ先
雇用 スタッフの採用活動費 5〜20万円 求人媒体、募集人数、面接方法
その他 広告宣伝費、開業準備費、保険料など 10〜50万円 開業規模、集客方法、広告媒体、保険の種類

 

一般的に、コンテナハウスカフェにかかる初期費用の相場は、総額で数百万円から数千万円と言われています。費用差については、立地や業態、店舗の規模、導入する設備、必要な手続きなど、各店舗の条件によって異なります。

 

そのため、初期費用を算出する際は、各項目の費用の変動要因を考慮した上で、詳細な見積もりを出す必要があります。たとえば、立地に着目すると、都心部は賃料や物価が高い傾向があり、規模に着目すると、店舗の広さや席数によって設備やグレードが変わります。

 

また、想定外の事態を想定して予備費を確保しておくことも重要です。工期の遅延や設備の故障といったトラブルが発生する可能性に備え、初期費用は余裕を持った金額を準備するよう心がけましょう。

 

なお、コンテナハウスカフェの開業にあたっては、運転資金も欠かせません。初期費用と運転資金は柔軟な経営を実現するための基盤です。競合店の動向や消費者の嗜好の傾向など、市場の変化を捉えながらしっかりとした資金計画を立て、万全の準備を整えましょう。

運転資金も考慮する

コンテナハウスカフェの安定的な成長を実現するためには、初期費用に加えて運転資金も十分に確保しておく必要があります。運転資金が不足すると支払いが滞り、事業の継続が困難になる可能性があります。

 

運転資金も初期費用と同様に様々な要素によって相場が変動します。また、店舗の規模や運営方針によっても変わってくるため、開業前に綿密な資金計画を立て、十分な資金を確保しておくことが重要です。

 

【コンテナハウスカフェ運転資金の目安】

分類 項目 種類 費用相場 費用の変動要素
固定費 家賃 土地代、固定資産税など 5~30万円 立地、土地の広さ
光熱費 電気代、水道代、ガス代など 10~20万円 契約内容、利用状況
通信費 インターネット回線、電話代など 5~10万円 契約内容、利用状況
保険料 建物保険、事業主賠責保険、従業員賠償責任保険など 5~15万円 契約内容、付帯サービス
税金 固定資産税、消費税、所得税など 5~15万円 売上高、事業内容
変動費 食材費 食材購入費、飲料費など 50~100万円 メニュー内容、種類、仕入れ先
人件費 従業員の給料、社会保険料など 30~80万円 従業員数、勤務時間
備品・消耗品費 厨房機器、レジスター、紙コップ、ナプキン、レジロールなど 30~100万円 設備の充実度、種類、気候
その他 修繕費など 5~15万円 破損状態、対処方法
宣伝費 SNS広告費、チラシ作成費など 10~30万円 広告媒体、発行頻度

 

カフェの運営には、家賃、設備費、仕入れといった様々な費用が継続的に発生します。特に、新規開業のカフェは客足が安定するまでに時間がかかる傾向があり、利益が出せるようになるまでは、運転資金からマイナス分を補填しなければならない場合があります。

 

また、カフェは気候によって客足の変動が大きく、夏季と冬季の需要の変化に合わせて仕入れやメニューを調整しなければなりません。季節ごとのキャンペーン展開や販促イベントの実施など、効果的な施策を進めていくためにも十分な資金力が必要です。

 

さらに、急なトラブルによる支出にも備えがあると安心です。たとえば、コーヒーメーカーの故障や食材の品質問題などが発生した場合、適切に対処するための追加資金が求められます。予期せぬ事態に備え、運転資金には一定の余裕を持たせておきましょう。

 

なお、運転資金を算出する際は、詳細な資金繰り表を作成すると開業後の資金の流れがシミュレーションでき、運転資金の目安が把握しやすくなります。開業後も定期的に資金繰り表を見直して、実際の収支とを比較しながら事業の健全性を維持していきましょう。

コンテナハウスカフェの初期費用を抑える方法

コンテナハウスカフェの初期費用は、従来の店舗に比べてコストが抑えられる場合があります。コンテナハウスの特徴的な構造や利便性などが初期費用の削減に繋がるためです。

 

ただし、実際の費用は、内装の規模や設備の充実度などによって変動します。その点を踏まえ、コンテナハウスの特徴と初期費用の削減効果を確認してみましょう。

 

【コンテナハウスの特徴と初期費用の削減効果】

項目 コンテナハウスの特徴 初期費用の削減効果
規格 建築基準に対応したJIS規格で統一されている 共通規格によって設計、部品調達、施工などが簡略化でき、コストが削減できる
構造 ラーメン構造でコンテナ自体が構造体として成立する 既製品として完成しているため、設計費や建設費が抑えられる
設計 間柱が不要、または、少なく済む シンプルな間取りが設計しやすく、内装工事の工程やコストが減らせる
工法 組み立て式で複雑な施工を必要としない 工期が短縮でき、人件費や間接費の削減に繋がる
設備 空間がコンパクトで大規模な付帯設備を必要としない 大型の厨房機器や倉庫などは採用されない場合が多く、設備導入費が抑えられる
素材 スチール製で耐久性や耐候性が高い 火災や自然災害に対するリスクが低く、保険料が割安になる傾向がある
再利用性 使用済みのコンテナを再利用できる 廃棄費用の削減、物件取得費の削減、工期の削減などに繋がる
拡張性 構造強度が高く、連結や積み上げが可能 小規模から始められ、将来的な店舗拡大にも対応しやすい

 

コンテナハウスカフェに使用されるコンテナは、建築基準に対応することを条件にJIS規格で統一されています。この規格の共通化によって複雑な設計図を作成する手間が省け、部品の調達や施工なども簡略化することができます。

 

また、既製品のコンテナは決まった流れで組み立てられ、難しい作業による遅延の心配がないことから、工期短縮や納期遵守に貢献できます。ただし、初期費用の削減効果は条件によって異なる点に注意が必要です。

 

たとえば、内装や設備などは、高品質な資材を使用したり、最新設備を導入したりすると、従来の店舗と同等かそれ以上の費用がかかることが予想されます。また、限られた空間での効率的な動線設計には、専門家の協力が必要になる場合もあります。

 

一方、初期費用を抑えようとするあまり極端に安価な資材や粗末な設備を使用してしまうと、耐久性や機能性に問題が生じ、結果的に維持費がかさむ場合があります。初期費用は長期的な視点で考え、ランニングコストも含めたトータルバランスを検討しましょう。

中古のコンテナハウスを活用する

コンテナハウスカフェの店舗に中古のコンテナハウスを活用すると初期費用が抑えられます。特に、居抜き物件であれば、設備や備品にかかる費用の大幅な削減も期待できます。

 

ただし、海外で流通しているような中古コンテナ(海洋輸送用コンテナ)とは意味合いが異なります。輸送用の中古コンテナは建築基準法に適合させるための補強工事が必要であり、新品のコンテナハウスよりも費用が高くなる場合があることを覚えておきましょう。

 

【中古コンテナハウスによる初期費用の削減効果】

項目 初期費用の削減効果
本体価格 新品に比べて安価で購入できる
内装造作工事 断熱工事などの下地施工が済んでいるため、工事費が抑えられる
内装費・外装費 中古ならではの風合いを生かしたデザインやDIYの活用によって施工費が削減できる
設計費・手続き費用 設計図の作成や建築申請などの手続きが簡略化できる場合がある
納期 新品を発注して納品されるまでの期間よりも大幅に短縮できる

 

中古のコンテナハウスは一定の使用歴があるため、新品に比べて安価で入手できます。価格は使用年数や状態によって変動しますが、一般的には新品のコンテナハウスの半額以下で購入できる場合も少なくありません。

 

また、中古のコンテナハウスは躯体の建設や下地施工などが済んでいることから、内装や設備の改修に資金を注ぐことができます。経年劣化によるビンテージな風合いを生かしたり、DIYを活用したりすると、オリジナリティの向上と施工費の削減に繋がります。

 

さらに、購入後すぐに改修工事に着手できるため、新品と比べて短期間での開業が見込めます。移転を必要としない場合は建築許可申請や基礎工事などの手間のかかる工程が省け、早期開業によって早い段階で収益の安定化が図れます。

ただし、中古のコンテナハウスの中でも、状態や耐久性が著しく劣っている物もあるため、購入前にしっかりと状態を確認することが重要です。なお、購入手続きや状態確認は信頼できる業者の元で行い、業者を選定する際は、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。

間取りや内装設計を工夫する

コンテナハウスカフェの初期費用は、間取りや内装設計を工夫するとコストの抑制が期待できます。コンテナハウスの魅力の一つに設計の自由度が高いことが挙げられますが、初期費用を抑える目的では、極力シンプルに仕上げる必要があります。

 

また、コンテナハウスの限られた空間において、作業導線はコストパフォーマンスに大きく影響します。そのため、厨房や客席の双方でどのような作業を行い、どういった導線が生まれるかを想定し、客席や通路、収納スペースなどを効果的に配置することが重要です。

 

【間取りや内装設計の工夫と初期費用の削減効果】

項目 工夫 初期費用の削減効果
間取り 無駄なスペースの削減 床面積を減らし、内装費や設備費を削減
多機能スペースの活用 設備の重複購入を避け、設備費を削減
天井高の有効活用 床面積を最大限に活用し、空間効率を最適化
内装設計 シンプルな内装設計 内装費を削減し、ランニングコストも抑制
リサイクル素材の活用 エコで個性的な空間を演出し、購入費用を抑制
中古設備の活用 新品購入に比べて大幅に設備導入費を削減
照明計画の見直し 照明器具の数を減らし、電気代も削減
DIYの活用 外注費の削減、費用対効果の向上

 

コンテナハウスの間取りが初期費用の削減に繋がるのは、限られたスペースを無駄なく活用できている場合です。たとえば、カウンター兼用の収納棚や収納付きソファー、壁面収納などの設置を前提にした間取りは空間効率を最適化し、家具にかかるコストを削減できます。

 

同様に、内装設計はシンプルで機能的なデザインを心がけると初期費用削減に繋がります。照明器具の例では、数を減らして間接照明を取り入れると雰囲気が和らぎ、空間に広がりが生まれます。直接照明に比べて消費電力が少ないため、電気代の削減効果も期待できます。

 

内装施工においては、ペンキの塗装や壁紙の貼付、棚作りなど、DIYでできる作業を自ら行うことで外注費を削減できます。また、インテリアに古材や廃材をリメイクした家具や小物を取り入れると、資材費の負担を軽減しながら個性的な空間が構築できるようになります。

 

なお、コンテナハウスの内装事例は「コンテナハウスのおしゃれな内装事例!間取りや設置できる設備も解説」で紹介しています。間取りと設置、内装にかかる費用例なども解説していますので、コンテナハウスの内装を検討している方は参考にしてみてください。

補助金や助成金を活用する

コンテナハウスカフェの初期費用は、補助金や助成金を活用することでコスト削減が期待できます。国や自治体は、環境負荷の低減や地域活性化に貢献する新たなビジネスモデルに対し、特定の期間と要件で補助金・助成金を提供している場合があります。

 

ただし、補助金や助成金は競争率が高く、対象者や適用条件は地域や事業内容によって異なります。コンテナハウスを活用したカフェ開業が補助金や助成金の申請に採択されるためには、公募要件を正しく理解し、綿密に準備を進めることが大切です。

 

【補助金・助成金の申請にかかわる項目】

項目 要素 詳細
新規性や独創性 既成概念を覆す画期的な活用法 コミュニティスペース、アートギャラリー、移動販売車など、従来の使途を超えた多様な活用展開
デザインや構造の革新性 モジュール構造を活かした自由なレイアウト、再生可能エネルギーの導入、スマートホーム技術との連携など、従来の建築物にはない特徴
地域に根ざしたアイデア 地域の文化や歴史を反映したデザイン、地元の素材や技術を活用した建築など、地域に密着した取り組み
地域活性化 雇用創出 コンテナハウスの製造、設置、運営に関わる新たな雇用の創出
観光客誘致 地域のユニークな観光スポットとして観光客の来訪を促進
地域産業の振興 地元企業との連携による新たなビジネスモデルの創出、地域産品の販売促進など、地域経済の活性化
環境への配慮 環境負荷の低減 建設廃棄物の削減、リサイクル素材の活用、省エネルギー設計など、環境への負荷を低減する取り組み
再生可能エネルギーの導入 太陽光発電、風力発電など、再生可能エネルギーの導入によるCO2排出量の削減効果
自然との共生 緑化や雨水利用などの取り組みによる自然環境との共生

 

補助金・助成金のうち、「小規模事業者持続化補助金」を例に挙げると、コンテナハウスカフェの開業に伴う申請理由として、再生可能エネルギーの導入や地産地消メニューの開発などが含まれていると評価される可能性が高まります。

 

また、再生可能エネルギーの活用や災害時の自立性を高める施設を支援する「平時の脱炭素化と災害時の安心を実現するフェーズフリーの省CO2独立型施設支援事業」では、高機能な断熱材や高効率な空調設備などの省エネ設計が環境対策として評価される場合があります。

 

コンテナハウスカフェは、その柔軟性と機動性から様々な補助金や助成金の対象となり得ます。現時点で公募のある補助金・助成金の情報は、開業予定地域の自治体や商工会議所の担当窓口、各種Webサイトなどで確認し、自社に適した補助金・助成金を見つけましょう。

まとめ

コンテナハウスカフェは一般的な建築物に比べて工期が短く、初期費用が抑えられることから、カフェ開業の選択肢に選ばれています。また、店舗としての柔軟性と機能性に優れている点も評価が高まる理由の一つとなっています。

 

コンテナハウスカフェの開業の流れは、従来の店舗と基本的には同じです。しかし、コンテナハウスならではの構造上の特徴などに注意すべき点があり、開業にかかる初期費用は、様々な要素によって変動します。

 

初期費用を抑える方法には、中古のコンテナハウスを利用する、間取りや内装設計を工夫する、補助金や助成金を活用するといった方法があり、状況に応じて必要な対策を講じることでコストの削減が期待できます。

 

ただし、初期費用の削減に傾倒しすぎると余計に維持費がかかる場合があるため、運転資金やランニングコストも考慮しながらバランスの取れた資金計画を立てましょう。