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コンテナハウス

コンテナハウスとユニットハウスの違いを5つの観点から解説

作業スペースや倉庫、または店舗としてコンテナハウスやユニットハウスの設置を検討しているいるのではないでしょうか。用途に適したものを選択するためにも、その違いを明確に把握する必要があります。

 

当記事では、コンテナハウスとユニットハウスの違いを解説します。5つの観点で違いを解説するので、ぜひ参考にしてください。

コンテナハウスはユニットハウスの一種

コンテナハウスはユニットハウスの一種であり、ユニットハウスの構造体にコンテナを活用した建築物です。ユニットハウスは、部品を工場で生産して現場で組み立てを行うプレハブ建築の一種です。

 

コンテナハウスとユニットハウスは、基本的に「木造以外の小規模な平屋、もしくは木造2階建てまでの建物」であるため、建築基準法において「4号建築物」に該当し、固定資産税と都市計画税の対象となります。ただし、いずれも構造計算により、3階建て以上の建物として設計することが可能です。

 

ここでは、コンテナハウスとユニットハウスの概要と特徴をそれぞれ解説します。

 

コンテナハウス

 

 

コンテナハウスは、海上輸送用コンテナから着想を得た建築物です。製造工場などでコンテナ型に仕上げたものを設置場所に運搬し、基礎工事を行ったうえで設置します。

 

コンテナハウスは、ユニットハウスの一種ですが、ユニットハウスよりも骨組みが少ないため、間取りの自由度が高い点が特徴です。また、壁や間取りなどのデザインの自由度が高く、ユニットハウス同様、耐震性に優れているといえるでしょう。

 

コンテナハウスは、ちょっとした作業を行うためのスペースや倉庫としてだけでなく、店舗や長期的な居住にも活用できます。

 

なお、コンテナハウスの詳しい概要や設置例を知りたい人は「コンテナハウスとは?注目の理由や設置する場合の注意点を解説」を参考にしてください。

ユニットハウス

ユニットハウスは、あらかじめ工場で作った建築材料を現地で組み立てたり、すでに組み立てた状態で現地に運んだりする「プレハブ工法」の建築物です。

 

施工期間が短く、プレハブ工法の建築物の中でも耐震性に優れている点が特徴です。また、ユニットハウスの組み立ては、限られたスペースでも行えます。

 

ただし、ユニットハウスは、数十年にわたる長期的な居住には適さず、間取りの自由度もコンテナハウスより低い傾向があります。そのため、敷地内に作業スペースとして設けたり、倉庫として活用するのが一般的な用途といえるでしょう。

コンテナハウスとユニットハウスの5つの違い

コンテナハウスとユニットハウスの違いは複数あります。ここでは、コンテナハウスとユニットハウスの違いを5つの観点でそれぞれの違いを解説していきます。

 

【コンテナハウスとユニットハウスの違い

コンテナハウス ユニットハウス
建材 重量鉄骨

※軽量鉄骨の場合もあり

軽量鉄骨
サイズ 20フィートサイズ(4.29坪)・

40フィートサイズ(8.9坪)

1810mm×810mm(約0.5坪)~5410mm×2310mm(約4坪)
デザイン 連結や積み上げによる増築が可能

内装・窓などを自由に設計可能

組み合わせによる増改築が可能

外観を自由に設計可能

価格 坪50万円〜85万円以上 坪30万円~40万円程度
法定耐用年数 約34年 約19~27年

建材

建材は、コンテナハウスはおもに重量鉄骨、ユニットハウスは軽量鉄骨を使用します。重量鉄骨は鉄骨の厚みが6mm以上で、軽量鉄骨は鉄骨の厚みが6mm未満のものです。

 

【コンテナハウスとユニットハウスの建材】

コンテナハウス 重量鉄骨・軽量鉄骨
ユニットハウス 軽量鉄骨

 

一般的に、重量鉄骨は3階建て以上のビルやマンションなどに用いられることが多く、軽量鉄骨は2階建てまでのアパートや戸建て住宅など小規模の建築物に用いられます。コンテナハウスに用いられる重量鉄筋は、軽量鉄骨と比較して鉄骨が太く、その分壁が厚くなるため、防音性や断熱性に優れます。

 

なお、コンテナハウスとユニットハウスは建材が異なりますが、いずれも製造所で組み立てたものを設置場所に運びます。そのため、施工期間は大差なく、1〜2日程度が目安です。

サイズ

コンテナハウスとユニットハウスは規格サイズにも違いがあります。

 

【コンテナハウスとユニットハウスのサイズ】

コンテナハウス
  • 20フィートサイズ(29坪・約8.5畳)
  • 40フィートサイズ(8.9坪・約20畳)
ユニットハウス
  • 1810mm×810mm(約0.5坪・約1畳)
  • 1810mm×1360mm(約0.7坪・約1.5畳)
  • 1810mm×2310mm(約1.2坪・約2.5畳)
  • 2710mm×2310mm(約1.8坪・約3.8畳)
  • 3610mm×2310mm(約2.5坪・約5畳)
  • 4510mm×2310mm(約3坪・約6.5畳)
  • 5410mm×2310mm(約4坪・約8畳)

 

住居や店舗として活用するコンテナハウスの基本サイズは「20フィートサイズ(4.29坪)」「40フィートサイズ(8.9坪)」です。これらのサイズのコンテナハウスを連結したり、重ねて2階建て以上にすることも可能です。また、小規模の倉庫として使用できる20フィート以下のものも存在します。

 

一方、ユニットハウスは、4tトラックで運搬可能なサイズの上限である4坪までが規格サイズとなります。単棟で使用するユニットハウスには、1810×810(mm)から5410×2310(mm)のサイズが幅広く存在し、いずれも組み合わせによる増改築が可能です。ただし、トラックで運搬する都合上、基準となる高さが2.7mと制限される場合があります。

デザイン

コンテナハウスは、内装・窓などを自由に設計しやすいのが特徴です。鉄骨の柱と梁で全体を支える構造のため、設計段階でドアや窓の位置、壁などに変化をつけられます。

 

一方、ユニットハウスは、規格に沿ったものを取り付ける「はめ込み式」です。ドアや窓の位置、壁などのアレンジはコンテナハウスより難易度が高くなる場合もありますが、外観のデザインは自由に設計しやすいといえるでしょう。

価格

コンテナハウスとユニットハウスの価格帯は以下の通りです。

 

【コンテナハウスとユニットハウスの価格帯】

コンテナハウス 坪50万円〜85万円以上
ユニットハウス 坪30万円~40万円程度

 

ユニットハウスの価格帯は、サイズの上限があるため、坪30万円〜40万円程度に抑えられます。基礎工事なども含めた費用は、木造建物よりやや安価か同等程度で、一棟あたり100万〜200万円台程度が目安でしょう。

 

一方、コンテナハウスは、設計やデザインの自由度が高い分、価格帯には幅があります。坪50万円〜85万円以上で、木造建物と同等かやや高く、居住用は400万円程度が目安です。

 

なお、コンテナハウス、ユニットハウスのいずれも、設置する際には坪当たり3~4万円程度の基礎工事費用がかかります。

法定耐用年数

法定耐用年数とは、財務省が定めた資産ごとの耐用年数のことです。建築物の耐用年数は、構造や用途によって決められています。

 

コンテナハウスの法定耐用年数は、34年です。ユニットハウスは、鉄骨の厚みにより耐用年数が異なり、3mm以下であれば19年、4mm以上であれば27年です。

 

【法定耐用年数】

コンテナハウス 34年
ユニットハウス 19~27年

 

耐用年数の違いからも、ユニットハウスは数十年単位の居住や用途には向かないといえます。そのため、住居や店舗として使用したい場合には、コンテナハウスが適しているでしょう。

まとめ

コンテナハウスとユニットハウスの主な違いは建材です。コンテナハウスは基本的には鉄骨の厚みが6mm以上の重量鉄骨、ユニットハウスは鉄骨の厚みが6mm未満の軽量鉄骨を使用します。コンテナハウスとユニットハウスは建材以外にも、サイズ、デザイン、価格、法定耐用年数において違いがあります。

 

コンテナハウスのサイズは、20フィートサイズ(4.29坪)と40フィートサイズ(8.9坪)です。これらのサイズのコンテナを連結したり重ねたりして専有面積を拡張できます。法定耐用年数は34年です。設計やデザインの自由度が高い分、坪50万円〜85万円以上と、木造建物と同等かそれ以上の価格帯になるケースが多くなります。

 

ユニットハウスのサイズは、法定耐用年数は、鉄骨の厚みによって異なりますが、19〜27年です。規格サイズの上限があり、デザインのアレンジができない分、坪30万円〜40万円程度と、木造建物よりやや安価か同等程度に価格も抑えられるでしょう。

 

これらのことから、コンテナハウスは長期的かつ居住空間や店舗としての利用に適し、ユニットハウスは限られた面積内の土地でちょっとした作業スペースや物置が必要な場合に適しているといえるでしょう。