コンテナハウスの維持費は年間どれくらい？維持費の種類や抑える方法も解説

コンテナハウスの維持費は、年間10〜20万程度が目安です。コンテナハウスは、戸建住宅と同様、固定資産税や定期的なメンテナンスが必要となります。

ただし、コンテナハウスの維持費はすべて毎年かかるものではありません。維持費として必要となる費用の種類に関しては、次に紹介していきます。

コンテナハウスにかかる維持費の種類はおおまかに分類すると「税金」「メンテナンス費用」「火災保険料」です。

【維持費の種類と目安】

固定資産税をはじめとする税金は、毎年納税することが義務付けられています。火災保険に加入する場合、支払い方法によって毎月、もしくは年に1回程度保険料の支払いが生じます。ただし、メンテナンス費用は、毎月もしくは毎年かかるものではありません。

なお、コンテナハウスを設置する地域によっては自治会の費用が月に数百円から2,000円程度かかる場合もあります。詳細な予算を立てたい場合には、コンテナハウスの設置を検討している自治会のホームページを確認してみましょう。

なお、コンテナハウスを設置する地域によっては自治会の費用が月に数百円から2,000円程度かかる場合もあります。詳細な予算を立てたい場合には、コンテナハウスの設置を検討している自治会のホームページを確認してみましょう。

コンテナハウスは建築基準法で建築物に適合するため、基本的には「固定資産税」がかかります。さらに、コンテナハウスを設置する地域によっては「都市計画税」がかかる場合もあります。

コンテナハウスは、建築物に該当するため、固定資産税がかかります。固定資産税とは、土地や建物などにかかる税金で、以下の方法で算出します。

【固定資産税】

• 評価額×1.4%

なお、コンテナハウスにかかる固定資産税の評価基準に関して確認したい方は「コンテナハウスにかかる固定資産税の評価基準と税金対策について解説」を参考にしてください。

コンテナハウスを設置する地域によっては、都市計画税がかかる場合があります。都市計画税は、所有する土地や家屋が特定の市街化区域内である場合にかかる税金で、固定資産税と同様に固定資産税評価額に基づき算出します。特定の市街化区域とは、「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」を指します。

【都市計画税】

• 評価額×0.3%

固定資産税は、所有する土地や家屋そのものに対するものですが、都市計画税は、所有する土地や家屋が所在する地域に依存するものです。コンテナハウスの設置を検討している地域が都市計画税の対象になるかどうかは、自治体のホームページや担当窓口などで公開されている都市計画図を確認してください。

コンテナハウスに限らず、建築物には適切なメンテナンスが必要です。コンテナハウスに施すべき代表的なメンテナンスは「防錆対策」「雨漏り対策」「シロアリ対策」「塗り直し」などです。それぞれの費用は、コンテナハウスの規模や設置場所によって異なります。

なお、コンテナハウスは法定耐用年数が34年となっており、経年によって水回り等の修繕が必要となる可能性もあります。コンテナハウスの用途や必要に応じて水回りの修繕が発生する可能性も念頭に置くようにしましょう。

コンテナの屋根は、両サイドにわずかな勾配はついているため、雨水が長年たまることはありませんが、鉄製であるため、防錆対策が必要となります。錆の範囲によっては、表面の塗装をグラインダーなどで薄く削って除去するなど自力で行える方法もありますが、3〜5年に1回程度は、専門業者に依頼して外装塗装を行うようにしましょう。

【防錆対策の費用目安】

防錆対策の費用は、使用する塗料の種類、コンテナハウスのサイズによって異なります。20フィートサイズのコンテナの場合、1回あたり20万円程度が目安となります。

なお、コンテナバンクの建築コンテナは、屋根が勾配仕様になっているため、平ではございません。また、防食塗料を使用しており、一般的なウレタン塗料より、発錆に強い仕様になっております。

コンテナハウスには定期的に雨漏り対策を行う必要があります。コンテナハウスは平らな屋根のため、水はけが悪く、水が溜まりやすい傾向があるからです。また、雨漏りが発生しなくとも、外壁と断熱材の隙間に水が溜まり、コンテナハウスの劣化を早めることもあります。

コンテナハウスの雨漏り対策は、経年に応じて適した方法が存在します。たとえば、雨水の侵入を防いだり、温度や湿度の変化による外壁の伸縮を防ぐための「コーキング」や「シーリング」を充填する方法があります。また、設置から10年以上経過し、経年劣化が見られるコンテナハウスの場合は、コンテナの上に新しい屋根材を設置する「葺き替え（カバー工法）」も有効です。

【雨漏り対策の費用目安】

コンテナハウスの防水性や気密性を保持するための「コーキング」や「シーリング」に用いられる材料にはそれぞれ寿命があります。コーキングは10年程度、シーリングは5年に1回程度の充填が必要となります。

コンテナハウスを設置する立地によって、経年劣化の度合いが変わるため、雨漏り対策を行うべき頻度も異なります。 3〜5年に1度程度の頻度で状態を確認し、必要に応じて適切な処置を行えるようにしましょう。

コンテナハウスではシロアリ対策として床下にコールタール塗装を施していることが多いです。

コールタール塗装をすることにより、シロアリなどの昆虫防止や防水性、耐錆性が高くなり、木造や鉄部の保護されます。

再塗装を検討した際の費用の目安をお伝えします。

【シロアリ対策の費用目安】

シロアリ対策は、1坪あたり6,000円前後が目安です。20フィートサイズのコンテナハウスの場合は1回あたり25,000円程度かかります。

なお、公益社団法人日本しろあり対策協会のホームページでは、シロアリ防除薬剤の効力は、5年であることが公表されています。そのため、シロアリ対策は、5年に1回のペースで必要となるでしょう。

経年によりコンテナの表面の色ムラが生じた場合、メンテナンスの一環として10年に1回程度「塗り直し」を行うケースもあります。

【塗り直しの費用相場】

なお、塗り直しは、必ずしも必要ではありません。コンテナハウスの用途や事業の展開に応じて維持費の概算に含めるようにしましょう。

火災保険は、火災をはじめ、水害・落雷・風害などによるコンテナハウス本体や家具および家電への損害を補償するものです。

火災保険への加入は、建築基準法などで義務付けられているものではありません。ただし、コンテナハウスの購入時にローンを組んだ場合や賃貸でコンテナハウスを活用する場合には、加入が必須となるケースもあります。

【火災保険料目安】

火災保険料は、加入する保険会社によって異なります。1年、5年、10年などの契約が可能で、契約期間が長期になるほど保険料は割安になります。

火災保険料は月に数百円程度、年間で数千円〜1万円程度である場合がほとんどですが、年間維持費に含まれるものとして把握しておくようにしましょう。

コンテナハウスの維持費を抑える方法は「定期的なメンテナンスを行う」「税金の軽減措置を活用する」です。

定期的なメンテナンスを行うことで、結果的にコンテナハウスの維持費を抑えられます。コンテナハウスの維持費の種類に、防錆対策や雨漏り対策などを紹介しましたが、そのいずれかを怠ることでドミノ式に劣化が進む場合があるからです。

たとえば、塗り直しを怠ると、サビによって鋼板に穴が開き、鋼板を貼り直すことになりかねません。また、外壁のサビや劣化により、雨漏りの発生リスクが高まります。

コンテナハウスは法定耐用年数が34年と木造住宅よりも長く（木造住宅の法定耐用年数は22年）、メンテナンスは10年に1回程度で済むものもあります。定期的に適切な手入れを行うことで、維持費を抑えて長く活用することができるでしょう。

税金の軽減措置を活用して、維持費を抑える方法があります。固定資産税、都市計画税のいずれにも軽減措置があり、節税によって年間維持費を抑えられる可能性があります。

たとえば、駐車場にコンテナハウスを建てることで、最大6分の1まで固定資産税を抑えられます。また、市街化調整区域内の住宅用地にコンテナハウスを設置すれば、課税標準額を3分の1〜3分の2程度に減額できます。

さらに、コンテナハウスをすぐ移動できる状態にすれば、固定資産税、都市計画税のいずれもかからないため、用途に応じて検討してみてください。

なお、市街化調整区域内へのコンテナハウス建築に関しては「市街化調整区域にコンテナハウスは建築できない？調整区域の活用方法とあわせて解説」を参考にしてください。

コンテナハウスの維持費の目安は、年間10〜20万程度です。コンテナハウスは、戸建住宅と同様、固定資産税の支払いや定期的なメンテナンスが必要となります。

コンテナハウスに施すべき代表的なメンテナンスは「防錆対策」「雨漏り対策」「シロアリ対策」「塗り直し」などです。それぞれの費用は、コンテナハウスの規模や設置場所によって異なります。

コンテナハウスの維持費を抑える方法は「定期的なメンテナンスを行う」「税金の軽減措置を活用する」です。メンテナンスを怠ることで、結果的にコンテナハウスの劣化が進む可能性があります。固定資産税や都市計画税には軽減措置があるため、節税によって年間維持費を抑えられる可能性があります。適切なメンテナンスを行い、状況に応じて税金の軽減措置を活用しながら、コンテナハウスの維持費を抑えることを検討してみましょう。