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建築用コンテナとは?海上輸送用コンテナとの違いや必要条件を解説

中古で入手できる輸送用コンテナをリフォームして住居や店舗などに活用できないか知りたい方もいらっしゃるでしょう。実は、日本国内で輸送用のコンテナをそのまま住居や店舗として活用することはできません。

 

当記事では、建築用コンテナに関して解説します。建築用コンテナと海上輸送用コンテナの違いや建築用コンテナの必要条件を解説するので、ぜひ参考にしてください。

建築用コンテナとは建築基準法に適合しているJIS規格コンテナ

建築用コンテナとは建築基準法に適合しているコンテナのことです。住居や店舗として活用できる建築用のコンテナは、建築基準法第2条第1号が規定する「建築物」に該当します。

 

そのため、建築用のコンテナは、着工前と完成後に建築確認申請を行う必要があります。さらに、建築用コンテナが建築基準法に適合するためには、コンテナの主要構造部に使用される鋼材を作る工場がJIS認証を受けている必要があります。

 

なお、コンテナハウスの概要や設置条件などを確認したい人は「コンテナハウスとは?注目の理由や設置する場合の注意点を解説」を参考にしてください。

建築用コンテナと海洋輸送用コンテナの主な違いは規格

建築用コンテナと海洋輸送コンテナの主な違いは規格です。

 

建築用コンテナは建築物として建築基準法や日本産業規格である「JIS規格」に則って設計されています。一方、海洋輸送コンテナは、国際規格である「ISO規格」に則り設計されています。

建築用コンテナと海洋輸送用コンテナの比較

建築用コンテナと海洋輸送用コンテナは規格以外にも「用途」「構造設計」「価格」など複数の違いがあります。

 

建築用コンテナと海洋輸送用コンテナの比較

建築用コンテナ 海洋輸送用コンテナ
規格 JIS規格 ISO規格
用途 居住、店舗、事務所など 船舶、鉄道、トラックなどでの貨物輸送
構造設計 ラーメン構造 パネル構造
サイズ ・20フィートサイズ

・40フィートサイズ

※規定サイズの範囲の中で、1㎝刻みで製造可能

・20フィートサイズ

・40フィートサイズ

・その他10フィート、12フィートサイズなど

価格 ・20フィートサイズ:90万円前後~

・40フィートサイズ:200万円前後~

※新品、税抜き価格の目安

・20フィートサイズ:40万円~90万円前後

・40フィートサイズ:160万円前後~

※新品、税抜き価格の目安

 

たとえば、建築用コンテナは、居住・店舗・事務所などとして活用できるように製造されますが、海洋輸送コンテナは、船舶・鉄道・トラックなどでの運輸を目的に製造されます。

 

また、建築用コンテナは、柱と梁による「ラーメン構造」で作られている場合がほとんどです。一方、海洋輸送用コンテナの多くは、コンテナの4隅を柱ではなく、鋼板を折り曲げて作る「パネル(壁)構造」で作られています。

 

なお、建築用・海洋輸送用、いずれのコンテナも、20フィートサイズ、40フィートサイズが基本的なサイズです。建築用コンテナは、組み合わせて2階建て以上にしたり、連結して床面積を拡張することが可能です。また、海洋輸送用コンテナは、貨物仕様の10フィートサイズのものや、12フィートサイズの保冷コンテナなど20フィート以下のものも存在します。

海洋輸送用コンテナは建築基準法に適合しない

海洋輸送用コンテナは建築基準法に適合しません。構造体がJIS鋼材で作られていないことに加え、開口を設けることで構造体の強度が落ちてしまうからです。

 

【海洋輸送用コンテナが建築基準法に適合しない理由】

・構造体がJIS鋼材で作られていない

・開口を設けると構造体の強度が落ちる

 

そのため、海洋輸送用コンテナを建築物として活用した場合には「違法」となります。

 

ただし、「ISOコンテナを木造や鉄骨造で作った骨組みの上から被せる」など、海洋輸送用のコンテナの外観を活かした建築物を造る方法はあります。海洋輸送用のコンテナの外観を活かした建築物を造りたい場合には、コンテナハウスの製造実績が豊富な専門業者に相談してみましょう。

建築用コンテナの必要条件

建築用コンテナの必要条件は3つあります。

 

【建築用コンテナの必要条件】

1.主要構造材がJIS鋼材で作られている

2.主要構造材の溶接技術者が溶接技能認定(JIS検定試験規格に基づく評価認定)を取得している

3.建築確認申請が可能で、構造計算書が提出できる

 

建築用コンテナの必要条件を満たすことで、建築基準法に適合します。コンテナを建築物として活用したい場合には、これらの条件を満たしているか確認するようにしましょう。

まとめ

建築用コンテナとは、建築基準法に適合しているコンテナのことです。住居や店舗として活用するコンテナは、建築基準法第2条第1号が規定する「建築物」であり、建築確認申請を行う必要があります。

 

一方、海洋輸送用コンテナは、構造体がJIS鋼材で作られておらず、開口を開けると構造体の強度が落ちてしまうため、建築基準法に適合しません。建築用コンテナと海洋輸送用コンテナは規格以外にも「用途」「構造設計」「サイズ」「価格」など複数の違いがあり、海洋輸送用のコンテナを建築物として使用することはできません。

 

建築用コンテナとして建築基準法に適合するためには「主要構造材がJIS鋼材で作られている」「主要構造材の溶接技術者が溶接技能認定(JIS検定試験規格に基づく評価認定)を取得している」「建築確認申請が可能で、構造計算書が提出できる」の条件を満たす必要があります。

 

建築物として活用するコンテナは、建築基準法に適合する必要があるため、建築用コンテナの施工実績が豊富な専門業者が提供するものを選択するようにしましょう。