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コンテナハウス

一人暮らしの住まいとしてコンテナハウスを検討するときのポイントを解説

一人暮らしの住まいとしてさまざまな住居を検討している方の中には、コンテナハウスを選択肢に入れている方もいるでしょう。コンテナハウスは店舗や事務所としても活用されていますが、タイニーハウスの一種として住居用に使うこともできます。

 

当記事では、一人暮らしの住まいとしてコンテナハウスを検討するときのポイントを解説します。ポイントを押さえることにより、自身が実現したい暮らしを叶える住居を選択できる可能性があるため、コンテナハウスで一人暮らしを検討している方は参考にしてみてください。

ポイントは自分が生活するイメージをもてるかどうか

一人暮らしの住まいとしてコンテナハウスを検討するときのポイントは「自分が生活するイメージをもてるかどうか」です。さまざまな観点から実際に暮らせるかどうかをイメージすることにより、実現したい暮らしに沿った選択ができる可能性があります。

 

【一人暮らしの生活をイメージする場合の検討項目】

  • 間取り
  • 価格
  • 立地

 

「間取り」「価格」「立地」の観点は、一人暮らしにおける生活の質を決定づける要素として挙げられます。住み心地や経済面などに影響を与える要素のため、それぞれの観点からコンテナハウスで一人暮らしするイメージをもてるかどうかを確認していきましょう。

間取り

一人暮らしの生活の質を決定づける要素のひとつは「間取り」です。コンテナハウスはコンテナ本体の大きさが決まっているため、コンテナの枠組みの中で間取りを考えることになります。

 

【コンテナの基本サイズ】

項目 概要
20フィートコンテナ 長さ…約6メートル

幅…約2.5メートル

高さ…約2.5メートル

坪数…約4坪

畳数…約8.6畳

40フィートコンテナ 長さ…約12メートル

幅…約2.5メートル

高さ…約2.5メートル

坪数…約8坪

畳数…約17.3畳

 

20フィートコンテナは約4坪の広さです。「風呂」「トイレ」「キッチン」などの設備を約4坪の長方形の居住スペースの中に備え付けるため、リビングや寝室などの空間を仕切る間取りは難しい可能性があります。

 

20フィートでは狭いと感じる場合は、40フィートコンテナを選択できます。20フィートよりも約2倍横に長い形状をしており、約8坪の広さがあるため、「1LDK」「2DK」などの間取りを設計することができます。

 

なお、ハーフサイズのコンテナも存在します。20フィートの約1/2の大きさのコンテナであり、20フィートのコンテナハウスにハーフコンテナを連結することによって間取りを拡充することができるため、希望の間取りがある場合は設計時に相談してみましょう。

コンテナハウスを購入する前に賃貸や宿泊で間取りを確認してみる

一人暮らしの住まいとしてコンテナハウスを購入する前に、賃貸や宿泊で間取りの確認をしてみましょう。実際に利用することにより、自身の生活動線やライフスタイルに合った間取りを考えるヒントとなる可能性があるからです。

 

【間取りを考える上での確認項目の例】

項目 具体例
水回り ・浴槽は必要か?

・キッチンの使用頻度は?

・トイレと風呂場は区分けするか?

居住スペース ・収納スペースは必要か?

・作業デスクは必要か?

・コンセントの配置は?

 

実際にコンテナハウスを利用する場合、水回りの間取りを確認しておきます。「浴槽の有無」「キッチンスペースの大小」など、自身が生活する上で必要な水回りの設備の優先順位をつけておくことにより、間取りを考える上でのヒントとなります。

 

また、居住スペースの間取りも確認しておきます。「収納スペースの有無」「趣味の空間の必要性」など、自身が生活する上で大事にしたい空間の優先順位をつけておくことにより、間取りを考える上でのヒントとなります。

 

実際にコンテナハウスに泊まってみると、不便な点が見つかるかもしれません。その場合は、なぜ不便と感じるのかを言語化することにより、不便さを解消する間取りを考える糸口となる可能性があるため、コンテナハウスに泊まったときは気になる点をメモしておくことを検討してみてください。

価格

一人暮らしの生活の質を決定づける要素のひとつは「価格」です。予算に応じてコンテナハウスの仕様が変動しますが、まずは20フィートコンテナを使ってコンテナハウスを購入する場合の費用の目安を確認してみましょう。

 

【20フィートコンテナを使ってコンテナハウスを建てる場合】

項目 費用の目安
コンテナハウス本体代 90万円前後
建築確認申請代 2万円~5万円程度

(業者に依頼する場合は20万円~50万円程度)

運送費 4万円~18万円程度
基礎工事費 20万円程度
インフラ工事費 電気工事…10万円~15万円程度

給排水設備工事…200万円~300万円程度

内外装工事費 外装…10万円~(デザインや材質によって異なる)

内装…200万円~(デザインや資材によって異なる)

合計 500万円~

※表中に土地代は含まれていません

 

20フィートコンテナ1台分を使ってコンテナハウスを建てる場合、費用の目安は約500万円からとなります。コンテナハウスは受注生産となるため、オプション代やデザインによって価格が変動しますが、おおよその目安は500万円から上昇していきます。

 

また、コンテナハウスを建てる場所によっても価格が変動します。「傾斜地」「水道が引き込まれていない」などの土地にコンテナハウスを建てる場合、目安よりも多く費用がかかる可能性があります。

 

コンテナハウスの坪単価はインフラ工事費を除くと85万円程度が相場です。木造の注文住宅と比較すると同程度かやや高い相場となりますが、重量鉄骨造りの住宅の中では安価な選択肢となる点を留意しておきましょう。

DIYにより価格を抑えられる可能性がある

コンテナハウスを建てるとき、一部をDIYすることにより価格を抑えられる可能性があります。内装工事の一部を自身が行うことにより、人件費や材料費を抑えられる可能性があるため、価格を抑えたい方は検討してみましょう。

 

【DIYできる作業の例】

  • 内壁の塗装
  • フローリングを貼る
  • 棚や収納の取り付け

 

初心者がDIYできる作業として、「内壁の塗装」「フローリングを貼る」「棚や収納の取り付け」などが挙げられます。業者による内装工事はシンプルなものに仕上げてもらい、細かな造作はDIYすることにより、価格を抑えられる可能性があります。

 

一方、「電気工事」「給排水工事」「ガス設備工事」などは資格が必要とされる作業のため、DIYで行うことはできません。また、建物の構造に関わる工事や基礎工事なども、安全性の観点から専門業者に依頼することになります。

 

DIYを検討する際は、自治体の建築規制や法律上の制限について確認しておきましょう。「ひさし」「ウッドデッキ」などを取り付ける場合、状況によっては建築確認申請が必要になる可能性があるため、疑問点があれば自治体に問い合わせることを検討してみてください。

立地

一人暮らしのイメージをもてるかどうかの要素のひとつは「立地」です。コンテナハウスを建築できる立地であるかどうかの確認に加え、一人暮らしを始めたあとの周辺環境も想像しておくようにしましょう。

 

【立地における確認事項】

項目 具体例
コンテナハウスを建てられる場所であるかどうかの確認
  • コンテナの搬入経路が確保できるか?
  • ライフラインが整備されているか?
日常生活に支障がない場所であるかどうかの確認
  • 病院やスーパーマーケットが付近にあるか?
  • 郵便や宅配物が届くか?

 

コンテナハウスを建てる場所を選ぶときは、トラックやクレーンが通行できる道路があるかどうかの確認が必要です。「電気」「水道」「ガス」などのライフラインが整備されているかも確認し、整備されていない場合は設置工事ができるかどうか問い合わせます。

 

また、日常生活に支障がない場所であるかどうかの確認も必要です。とくに、過疎地域への移住に伴いコンテナハウスで一人暮らしする場合は、周辺の施設環境や郵便物の配達可能エリアなどを把握します。

 

一人暮らしの場合、トラブルが起きたときに一人で対処しないといけない場面があるでしょう。「相談できる場所や施設があるかどうか」「親族と連絡が取れる場所かどうか」などの観点からも立地選びをすることを検討してみてください。

コンテナハウスは移設できる

コンテナハウスの特徴として、移設できる点が挙げられます。基礎工事をしているため容易ではありませんが、コンテナを解体せずに輸送できるため、住居として形状を保ったまま移設できます。

 

たとえば、住環境の変化により現在の場所での居住が難しくなった場合、新しい場所へ住居ごと移動することが可能です。「高齢になって病院の近くに引っ越したい場合」「子どもの近くに住みたい場合」なども、コンテナを移設することにより対応できます。

 

また、災害リスクの高い地域に住んでいる場合、安全な場所への移設の選択肢をもつことができます。気候変動や環境の変化により、将来的に居住環境が悪化した場合であっても、より快適な場所へ移動することが可能です。

 

なお、コンテナハウスの建築時に業者へ相談することにより、移設を見据えた間取りや建具の配置を提案してくれる可能性があります。将来的に移設を検討している場合は、コンテナハウスの購入時に業者に伝えてみることを検討してみてください。

コンテナハウスはライフスタイルの変化に対応できる

コンテナハウスはライフスタイルの変化に対応できると言われてます。一人暮らしをしたいけれど、将来的に暮らしに変化があった場合、コンテナハウスで対応できることを押さえてみましょう。

 

【対応できること】

状況 対応方法
一緒に暮らす家族が増えた場合 コンテナハウスを増築できる
引っ越ししたい場合 コンテナハウスを移設できる
自宅を手放したい場合 コンテナハウスを売却できる

 

たとえば、一緒に暮らす家族が増えた場合、コンテナハウスを増築できます。コンテナハウスを連結すれば大規模な内装工事をすることなく増築できるため、将来的に家族が増え、間取りを増やしたい場合も対応が可能です。

 

また、自宅を手放したい場合、コンテナハウスを売却できます。コンテナハウスは規格が同一で用途に汎用性があるため、コンテナ自体の資産価値を保ったまま売却できる可能性があります。

 

なお、賃貸物件として活用する方法もあります。自身が住まなくなったあと、賃貸することにより家賃収入が得られる可能性があるため、コンテナハウスの購入を検討している方は将来的な活用方法も考慮してみてください。

コンテナハウスは購入時に住宅ローンを組める

コンテナハウスは購入時に住宅ローンを組めます。コンテナハウスは建築基準法上、建築物に該当するため、他の一般住宅と同じように住宅ローンを組んで購入することも検討しておきましょう。

 

住宅ローンを組む場合、金融機関の審査を通過しなければなりません。金融機関によってコンテナハウスの資産価値としての評価が異なるため、建築基準法よりも厳しい基準でコンテナハウスの設計面への指摘がなされる可能性があります。

 

また、 金融機関への相談は設計段階から行くことを検討しましょう。コンテナハウスの設計段階であれば指摘事項を反映させやすいだけでなく、収入や勤務状況から、住宅ローンを組める金額の目安を教えてもらえる可能性があります。

 

なお、住宅ローンを組むときは返済負担を考慮しましょう。一人でローンを返済していくことになるため、「将来的な収入の変化」「コンテナハウスの維持費」などの要素を考慮し、返済負担を設定することを検討してみてください。

まとめ

一人暮らしの住まいとしてコンテナハウスを検討するときのポイントは「自分が生活するイメージをもてるかどうか」です。「間取り」「価格」「立地」の観点から実際に暮らせるかどうかをイメージすることにより、実現したい暮らしに沿った選択ができる可能性があります。

 

コンテナハウスはライフスタイルの変化に対応できると言われてます。将来的に暮らしに変化があった場合、「増築」「移設」「売却」などの方法により、ライフスタイルの変化に対応できる可能性があります。

 

なお、コンテナハウスは購入時に住宅ローンを組めます。コンテナハウスは建築基準法上、建築物に該当するため、他の一般住宅と同じように住宅ローンを組んで購入することも検討しておきましょう。