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コンテナハウスの離れは、ワークスペースやちょっとした作業もできる物置など、さまざまな用途に活用できます。
当記事では、コンテナハウスを離れとして活用したい方に向け、設置前に知っておくべき注意点や費用相場に関して解説します。
コンテナハウスと同様に、離れとして活用できるプレハブ住宅やトレーラーハウスとの比較も紹介するので、是非参考にしてください。
コンテナハウスの離れを設置する前に知っておくべき注意点は以下の3つです。
【コンテナハウスの離れを設置する前に知っておくべき注意点】
離れとして設置する場合も、コンテナハウスを住居や店舗、オフィスとして活用するために建てる時と同様の注意が必要となります。
コンテナハウスは、基本的に建築基準法において建築物として扱われます。離れとして設置するコンテナハウスが土地に定着しており、屋根や壁を有し、継続的に居住や倉庫などの用途に使用される場合、「土地に定着する工作物」とみなされるためです。
建築基準法で建築物として扱われる建物を建築する際は、建築確認申請が必要です。建築確認申請を怠った場合、違法建築物とみなされ、行政から是正命令や使用停止命令が出されることもあります。
さらに、建築物に該当する場合は、建築基準法で基礎工事を行うことが規定されています。基礎工事は、建築物の自重や積載荷重、地震や風などの外力から地盤を守り、沈下や変形に対して安全性を保つために行う必要があります。
なお、建築確認申請が必要になる条件を確認したい方は、「コンテナハウスの建築確認が必要な場合と不要な場合を解説」を参考にしてください。
コンテナハウスで離れを設置したい場所の地盤や立地を確認する必要があります。コンテナハウスを建築物として扱う場合、地盤調査や基礎工事に関する規定があるからです。
母屋を建てた時に地盤や立地を確認していても、離れを建築する際には基本的には地盤調査をする必要があります。ただし、コンテナハウスが「10平方メートル以内」もしくは、「防火地域または準防火地域以外」に該当する地域への設置であれば、地盤調査は必要ありません。
地盤が軟弱だったり傾斜している場合、地震が発生した場合、地盤沈下や液状化現象が発生するリスクも考慮しなければなりません。また、コンテナハウスの重さに耐えられず、沈下や傾きの原因となることもあります。
なお、傾斜地や地盤が弱い土地の場合、造成や地盤改良の費用がかかる場合があることも念頭に置くようにしてください。
離れとして建てるコンテナハウスには、原則としてトイレ・キッチン・浴室のすべてを設置できない点も注意してください。
建築基準法では、1つの敷地内に1つの建物しか建てられない「一敷地一建築物の原則(建築基準法施行令1条)」が規定されています。そのため、離れを建てる場合は、「独立した住宅」ではなく、母屋に付属する建物であることが条件になります。
「独立した住宅」に関する法律上の定義はありませんが、一般的に住宅としてみなされるポイントとして、トイレ・キッチン・浴室のすべてが設置されているかどうかが挙げられます。
ただし、離れの定義は自治体によって異なる場合もあります。離れとしてコンテナハウスの建築を検討している場合は、所在する自治体に確認しましょう。
コンテナハウスは、建築基準法によって建築物とみなされているため、固定資産税の課税対象となります。コンテナハウスを所有する敷地内に離れとして設置する場合も、固定資産税の対象となる可能性が高いでしょう。
固定資産税の課税標準額は、課税台帳に登録されている固定資産の価格に準じた課税標準額に、固定資産税の税率1.4%を乗じて算出します。
なお、コンテナハウスにかかる固定資産税の評価基準や税金対策を確認したい方は「コンテナハウスにかかる固定資産税の評価基準と税金対策について解説」を参考にしてください。
コンテナハウスと、離れとして活用できるプレハブ住宅やトレーラーハウスを比較します。
【コンテナハウスとプレハブ住宅・トレーラーハウスの比較】
法律上の種別 | 特徴 | |
コンテナハウス | 建築物 |
|
プレハブ住宅 | 建築物 |
|
トレーラーハウス | 車両 |
|
これらはいずれも、工場生産されたユニットを現場で組み立て、比較的短期間で設置可能な簡易な構造物ですが、法律上の種別や特徴が異なります。
それぞれの特徴を把握したうえで、ライフスタイルや離れの活用目的にあったものを選ぶようにしましょう。
コンテナハウスはおもに重量鉄骨を使用するのに対し、プレハブ住宅は軽量鉄骨を使用しています。そのため、一般的に 重量鉄骨を使用するコンテナハウスは、プレハブ住宅よりも耐久性が高いとされます。
施工方法に関しては、コンテナハウスは工場で大部分を完成させ、現場では設置が中心ですが、プレハブ住宅は現場での組み立て作業を行います。
コンテナハウスは特徴的な外観を活かしたデザインが特徴で、設計の際のデザインも自由度が高い傾向があります。一方、プレハブ住宅は、工場で生産されたパネルやユニットを現場で組み立てるため、一定の規格に沿った外観になる傾向があります。
コンテナハウスは、個性的で頑丈な離れを設けたい場合や、DIYでカスタマイズを楽しみたい方に向いています。プレハブ住宅は、短期間で均一的な離れを設けたい方に向いているといえるでしょう。
トレーラーハウスは、法律上「車両」扱いとなる点で、法律上「建築物」として扱われるコンテナハウスとは異なります。ただし、トレーラーハウスの車輪が外されている場合や、設備配線や配管などが着脱できない状態になっている場合は「建築物」となります。
トレーラーハウスは、法律上「車両」として扱われるため、基本的には固定資産税の課税対象外となりますが、コンテナハウスは、固定資産税の対象となります。
コンテナハウスは基礎工事が必要であり、移動は容易ではありません。トレーラーハウスは、基礎工事が不要、もしくは簡易な工事で設置できるため、コンテナハウスと比較して移動しやすいでしょう。トレーラーハウスは、エンジンを持たないため、移動の際にはタイヤの付いたシャーシという車体にけん引されます。
さらに、トレーラーハウスは、法律上「車両」ですが、コンテナハウス同様、電気・ガス・水道などのライフラインを設置できる点も特徴といえます。
トレーラーハウスは、短期間での移動や設置場所の変更が比較的容易なため、仮設住宅や移動販売としての用途など、機動性を重視する目的に向いています。コンテナハウスは、比較的長期間、特定の場所に設置する場合に向くため、離れとしての活用に向いているといえるでしょう。
コンテナハウスの離れを設置する際の費用相場は条件によって異なります。コンテナハウスの設置費用を左右する要因はおもに以下の通りです。
【コンテナハウスの設置費用を左右する要因】
費用を左右する要因 | 詳細 | 費用相場 |
本体価格 |
|
【新品】
20フィートサイズ:90万円前後 40フィートサイズ:200万円前後 【中古】 20フィートサイズ:20万円前後 40フィートサイズ:30万前円後 |
輸送費 |
|
20フィートサイズ:4~18万円前後
40フィートサイズ:7~30万円前後 |
内装費 |
|
坪単価50~100万円程度 |
基礎工事費 |
|
1フィート当たり1万円程度 |
設備費 |
|
100~200万円程度
|
設備工事費 |
|
電気工事:10~15万円程度
※電力会社や電気工事業者による
ガスの引き込み工事:10~15万円程度 ※プロパンガスか都市ガスかによって異なる
給排水設備工事:200~300万円程度 ※水回りすべての設置 |
これらの条件に加えて、建築確認申請手数料や設計費用が発生する場合があります。また、コンテナのハウスは断熱工事を行わないと、夏は暑く冬は寒くなるため、離れの用途によっては必要となるでしょう。
なお、コンテナハウスの本体価格相場や設置にかかる費用を確認したい方は、「コンテナハウスの価格は?本体や設置する際にかかる費用を解説」を参考にしてください。
コンテナハウスの離れを安く設置するには、「本体価格」「設置費用」を抑える方法があります。
【コンテナハウスの離れを安く設置する方法】
費用 | 方法 |
本体価格 |
|
設置費用 |
|
コンテナハウスの本体価格は、「サイズ」「新品か中古か」によって変わります。
また、DIYで作業できる範疇以外は、内装や基礎工事などの簡略化がポイントになります。
コンテナハウスの離れを設置する際は、複数業者からの見積もりをとったり、専門業者に相談したりしながら費用を削減するようにしましょう。
本体価格を抑えることでコンテナハウスの離れを安く設置できるようになります。
【本体価格を抑える方法】
方法 | 詳細 |
サイズの小さいコンテナハウスを選ぶ |
【新品】 10フィートサイズ:60万円程度~ 12フィートサイズ:65万円前後~ 【中古】 10フィートサイズ:30万前程度~ 12フィートサイズ:25万円前後~ |
|
|
内装と外装工事を簡易にする |
|
母屋と違い、離れは用途によって機能や規模を最低限にして価格を抑えることができます。
長時間の滞在には向きませんが、ちょっとした作業や収納として離れを設けたい場合は20フィートサイズ以下のコンテナハウスを選ぶとよいでしょう。
10フィートサイズや20フィートサイズの小さいコンテナハウスを選ぶことで、新品でも20フィートサイズのコンテナハウスより、30万前後費用を抑えられます。
また、中古コンテナを選ぶことで、新品のコンテナハウスを購入するより50%前後費用を抑えられます。ただし、中古のコンテナハウスは、状態によって修繕費がかかる場合もあります。
さらに、費用をおさえたい場合は、水回りの設備を簡易かつ安価なものを選択したり、デザインや内装を必要最低限に絞り込んだりすることが重要です。いずれもデザインや機能へのこだわりを避けることで、費用を抑えられるでしょう。
なお、コンテナハウスの水回りの設備に関する費用相場を確認したい方は、「コンテナハウスに快適な水回りを!トイレ・キッチン設置の費用相場や注意点を解説」を参考にしてください。
設置費用を抑えることで、コンテナハウスを安く設置できます。設置費用を抑えるためには、基礎工事を簡易なものにしましょう。
【簡易な基礎工事の例】
基礎工事の種類 | 方法 |
独立基礎 | 建物の柱や束といった垂直荷重を個別に支えるための基礎を一つひとつ独立して設ける方法 |
束基礎 | 独立した基礎(束石)の上に建物の柱や束を設置する方法 |
たとえば、底板一面を鉄筋コンクリートにする「ベタ基礎」より、個々の基礎が独立している「独立基礎」や「束基礎」など、簡易的な基礎を選ぶと費用を抑えられるでしょう。ただし、基礎工事は設置場所の地盤の強度を確認し、適切な方法を選ぶことが重要です。
また、内装の一部や塗装などを自分で行うことで、施工費を削減できます。DIYで行える作業は、壁紙・クロス貼りや、 カーペットやラグなどの敷物設置など多岐にわたります。
ただし、DIYで行う作業は安全かつ簡易なものにとどめましょう。断熱工事や防音工事など、専門的な知識や技術が必要な作業は、施工実績が豊富な業者に依頼することをおすすめします。
コンテナハウスに用いられる基礎工事の種類と選び方を確認したい方は、「コンテナハウスに基礎工事が必要な理由は?施工法の選び方や費用目安も解説」を参考にしてください。
コンテナハウスの離れを設置する前に知っておくべき注意点は、以下の3点です。
【コンテナハウスの離れを設置する際の注意点】
コンテナハウス・プレハブ住宅・トレーラーハウスは、いずれも工場生産されたユニットを現場で組み立て、比較的短期間で設置可能な簡易な構造物であるため、比較検討されます。
コンテナハウスは、頑丈で設計デザインの自由度が高い点が特徴です。プレハブ住宅は一定の規格に沿った外観、トレーラーハウスは比較的移動しやすいという特徴があります。
コンテナハウスの離れを建築する場合の費用は、複数の種類があり、さまざまな要因によって左右します。
コンテナハウスの本体価格は、サイズや新品か中古かどうかによって変わるため、予算に合わせて選ぶと良いでしょう。設置費用を抑えるためには、簡易な基礎工事にする、内装の一部や塗装などをDIYで行うことが有効です。
離れとしてコンテナハウスの設置を検討したい方は、費用相場と予算を照らし合わせ、設置前に知っておくべき注意点をよく確認してから設置計画を立ててみましょう。